散歩の帰り道、ふたりが同じ速さで歩いていた。

散歩の帰り道、ふたりが同じ速さで歩いていた。

散歩の帰り道、ふたりが同じ速さで歩いていた。 details

夕方の散歩の帰り道。

ベビーカーを押しながら、ふと隣を見ると、
子どもとワンちゃんが同じくらいの速さで歩いていました。

誰に教えられたわけでもなく、
どちらかに合わせたわけでもなく、
ただ自然に、同じリズムで。

その光景を見たとき、
なんだかきょうだいみたいだなあ、
とふと思ったことがあります。

最初は、お互い少しだけ遠かった

赤ちゃんが家にやってきた日。
ワンちゃんは少し戸惑っていたかもしれません。

急に増えた泣き声。
変わってしまった生活のリズム。
ママの腕が、いつもとは違う方向に向いている。

それまでの日常がちょっとだけ変わって、
ワンちゃんなりに、何かを感じていたのかもしれません。

最初は距離がありました。
近づいてはみるけど、すぐに離れる。
気になっているけど、まだ触れない。

でも少しずつ、その距離が変わっていきます。

距離が縮まる瞬間は、とても静かにやってくる

劇的な出来事があるわけではありません。

ある日、赤ちゃんが泣いているとき、
ワンちゃんがそっと横に座っていた。

ある日、赤ちゃんがワンちゃんの毛に手を伸ばして、
ワンちゃんが動かなかった。

ある日、お昼寝のとき、
気づいたら同じブランケットの上にいた。

きょうだいみたいだな、と思える瞬間は、
いつも静かで、小さくて、
あとから思い返して気づくようなことばかりです。

言葉がないぶん、別の方法で近づいていく

子どもとワンちゃんの間には、会話がありません。

でも、言葉がないぶん、
別のもので距離を縮めていくようです。

匂い。体温。呼吸のリズム。
隣にいる時間の長さ。

子どもは、ワンちゃんの表情をじっと見ます。
ワンちゃんは、子どもの動きに少しずつ慣れていきます。

その積み重ねが、
いつの間にか「一緒にいるのが当たり前」になっていく。

気づいたら、きょうだいみたいな関係になっている。
そういうものなのかもしれません。

ふと気づく、小さな変化

日々の忙しさのなかでは、
その変化になかなか気づけないこともあります。

でも、ふとした瞬間に見えることがあります。

子どもがワンちゃんの名前を呼ぼうとした日。
ワンちゃんが子どものそばで眠るようになった日。
散歩中にふたりが同じ方向を見ていた日。

どれも小さなことです。
写真に撮れないことのほうが多い。

けれど、そういう瞬間のひとつひとつが、
なんだかちょっとうれしかったりします。

ふたりの今日は、今日だけのもの

子どもはあっという間に大きくなります。
ワンちゃんにも、ワンちゃんの時間があります。

ふたりが同じ速さで歩ける今日。
ふたりが同じ高さで目を合わせられる今日。
ふたりが同じブランケットで丸くなる今日。

そんな何気ない一日が、
あとから振り返るとかけがえのない一枚になっていたりします。

特別なことをしなくてもいい。
ただ、ふたりの「きょうだいみたいな時間」を、
ちょっとだけ意識して眺めてみること。

それだけで、今日の散歩が少しだけあたたかくなります。

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